4.不思議な人

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(曲解説)
 20年以上前からの知り合いである郡上八幡の須甲隆重さんという彫刻家、もともと変人ではあるが、いよいよおかしくなってきたのか去年の12月突然「佐古さん、私の書いた詩で作曲してくれませんか」と言って何枚かの個別の詞を手渡してきた。え?俺が?とも思ったが詩を読んでみると「なるほど、ふむふむ・・・」という感じで私の感性と非常によく似ていて理解しやすく、なおかつその中の「不思議な人」という言葉がすごく印象に残ったのを覚えている。
 その後今年の正月に、詩をまとめて作詞しなおし、ギターでワルツを刻みながらあっという間に曲が付いた。安易で簡単なメロディーなので普通なら一工夫加えるところだが、なぜかこのまま自然に歌うほうが良い気がして、そのまま録音をしてストリングスを加えて後日須甲さんにCDを渡すと、大変気に入ってくれた。そういういきさつの曲である。

(裏側から見た曲解説 by イチロー)
 この曲のガットギターの音色を聴いて、佐古さんのガットギターが欲しくなる・・くらい良い音です。自宅録音なのにめっちゃ良い音。良く響くし弾き感も良いし・・レンジが広くて存在感が違います。ただ、宅録なので、ガットギターのCHにずっと蛍光灯の「ジー」と言う音が入ってしまっています。(汗)
 でも、それも含めて音楽だと思えば良いだけのことなので、聴こえた方は、そう言う音響効果だと思ってください。蛍光灯ノイズはLEDだと消えると思うので、自宅スタジオはLEDに変えてもらおう。(笑)
 スチールのギターはもっと良いテイクで録れると思い、テイラーとギブソンで再レコーディングしました。あ、そう言えばヘッドウェイのギターも良い音するんだけど、今回のレコーディングで佐古さん持って来なかったなぁ・・・

 これも、歌のキャラは今っぽくしようと思い、マイクプリは現行品のイギリスのSSL(Solid State Logic)SIXを使用。コンプレッサーもSIX内蔵のものを使用して、2021/6/28 にエヌトライブにて歌を録りました。これは8テイクも録りました。
須甲さんへの想いがそうさせたのかどうかは分かりませんが、人の想いが加わると、自分のこと以上に頑張ってしまう佐古さんの人柄が垣間見えるレコーディングでした。
ミキシングはテイク3がOK。ガットのリフとスチールのオブリのバランスでだいぶ悩みましたが、良い感じになりました。