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ソウルトレッキング!? 


 最近海外に行くと女どもからブランド品を品番指定して買ってこいといわれる・・・これが実に面倒臭い。ブランド店に行って品番を聞いても無いことも多い。すると次の店を探したり、代わりのものを探したり・・・つまり絶えずお土産のことが頭を離れず、そのぶんだけ楽しくない。と言って内緒で行くわけにもいかず、できるだけ「そ〜っ」と出かけるのであるが・・・。

 10月の初め、美雪に「なんかオモロイことないかなー」と言うと、「(イギリスでお土産として依頼されたが無くて買えなかった)財布買ってよ!」と言った。つまり たまには海外に連れて行けという意味だ。 「じゃ、円高だから韓国あたりに買い物ツアー行くか?」と言うと「うん、行こう!」ということになった。連れて行けば土産も自分で買えるし、他の女どもの土産も買わせることができる。特に今は円高に加えてウォン安であり、以前1000ウォンが150円ほどだったのが今や70円ちょっとらしい。この円高を享受できるのは輸入か海外旅行しかないのである。韓国は名古屋から1時間半〜2時間のフライトで到着するから国内旅行とあまり変わらない。最近食べ盛りの美雪の息子のカズマが毎日「肉、肉!」と騒いでいるらしいが韓国と言えば焼肉である。よし、好きなだけ買い物をさせて好きなだけ焼肉を食わせてやろう。旅行社に行って調べてもらうと2泊3日、飛行機とホテル(ソウルヒルトン)の代金も一人5万円台と安い。 ヘタな国内旅行より安いってもんだ。カズマの姉のシーとじょしゅを含めると5名。美雪の旦那は仕事の関係で置き去りにされることになった。

 

 初めは昼の便でセントレアを発ち、夕刻にはソウル着で申し込んだが4名しか席が取れず、新たにじょしゅを置き去りにする案も浮上したがじょしゅの激しい抵抗で結局夜 6時便となった。この出発時刻の違いは大きく、しかもその便も1時間近く遅れ、結局その夜ホテルに着いたのは11時を過ぎていた。 新しい仁川空港は以前の金甫空港よりソウルまでの時間がかかるのだ。このまま寝るのも寂しいのでホテルの前のちっこいレストランに入るが日本語はおろか 簡単な英語もまったく通じなかった。私はギネスビール、カズマはハンバーグとフライポテトを食べて・・・とりあえず寝る。

 10/29、ホテルで朝食後、いざ出発。とりあえずホテルのすぐ近くの南大門市場に歩く。この日私は東大門まで歩くつもりだった。天気も良く、気温も17℃くらいまで上がり、絶好の散歩日和である。地図の縮尺を見ても歩けない距離ではない。子供はもちろん、じょしゅも美雪もまったくの方向音痴だから皆私の後にゾロゾロついてくる。

 

 ま、街の感じは広いアメ横といった風情。「本物そっくり、アルヨ!」とカバン店の前では必ず声をかけられる。そう、韓国は今も偽物天国。ご覧のように平然とグッチやエルメス、バーバリーもどきが並んでいる。で、本物そっくりは店の奥に隠してあるのだそうだ。一目で偽物と分かる偽物は堂々と店頭に並んでいても良いということらしい。しかし本物そっくりの偽物は堂々と売ると、時々は捕まるらしい。つまり、偽物にもランクがあるのだ。時計もしかり。良い物を作る技術はあるのだが、韓国ブランドで作っても売れず、イミテーションのほうが売れるのだ。この点中国の偽物とは一線を画していると言えるだろう。電気製品、機械、車などで日本の技術に並び、超えるところまで行っているという噂の韓国である。

 ソウルは大都会だ。 そしてなんとなく日本の町並みに似ている。道行く人の顔も日本人と見分けがつかない。しかし相手は見分けがつくらしく、「海苔、韓国海苔、おいしいよー」なんて声をかけてくる。南大門の店の看板には日本語で書かれたものもある。しかし一歩屋台地区を抜けると看板はほとんどがハングル文字となる。英語表記もない。地図を見ながらロッテの免税店まで歩き、少し買い物をしてから東大門まで徒歩で向かう。ソウルは韓国の首都なんだから最低限英語表記は欲しいところだ。もっと国際都市としてのインフラ整備が必要だ。

 

  なにやら大阪の街を歩いている雰囲気。店も看板もまったく日本と類似している。天気は快晴、気候は日本より寒いが歩いていると暑いくらいだ。途中私にとっては興味深い電気街などもあったがあっさりパスされる。彼らの目的は服飾品の買い物と食事だけなのだ。

 

  途中おばちゃんから銀杏の炒ったヤツを買うじょしゅ。西から歩いてくると東大門は服やら反物やらの卸の商店が並び、魚介類や食材も大量に売っている。

 

 

 上から・・・蚕を食材として売っている。昔は日本でも食べたようだが、今は私には魚釣りの餌としての認識しかない。カキやらイカやらの塩漬け、そう、キムチの材料である。昼近くなって海鮮鍋が店の前にズラリ。ホヤも売っていました。

 

他にマツタケやら朝鮮人参もありました。韓国の特産品ですね。そのうちいい匂いがしてきて・・・いよいよ屋台街が出現しました。よし、ココで食べてやれ。

 ほんの少し日本語ができるオバサンの屋台。一見旨そうだが、よく見るとグロテスク。そして辛そう。オバサンの前にある鍋に入った赤いヤツがトッポギ。これは辛かったが旨かった。缶ビールを一本だけ注文する。

 

 並んでいるものを少しづつ切って出してくれるので適当に味見ができる・・・個々に注文できないからこれでいいのだ。人数を見ていろんなものを出してくれる・・・値段は書いてないので分からない。

 

 旨いものも大したことないモノもあったが、5人で5万ウォン・・・と言われると一瞬ドキッとするが、3500円ぐらいである。

 屋台を出て少し歩くとタッカンマリ横丁に出る。あ、これが食いたかった!・・・しかしもう遅い。

 

 歩きに歩く・・・。女どもは東大門に立ち並ぶ商業ビルを一つ一つ制覇してゆく・・・ココは問屋街と一般向け商店と分かれていて、デパート(ビル)以外の一般向け商店はなんと夜中の9時ごろの開店だという。そして翌朝の5時ぐらいまで営業している・・・つまりまさに深夜のショッピング街なのだ。

 じょしゅと美雪とシーは主に服飾品のお買い物、私とカズマはビル前のベンチで休憩。フライポテトの塊を売っているのを見て(さっき食ったばかりなのに)欲しいと言うカズマ。この小学校6年生はとにかく食い盛りで、冗談ではなく一家の家計を危うくするほど食いまくる。この時も「美味しい?」と私が聞くと首をかしげ、「そんなに美味しくない・・・」と言いながらペロリと平らげてしまった。この夏だけで10cmくらい身長が伸びて、ついに最近母親を抜いたようだ。

  

 7時ごろ客の混み具合を見て店を選び、焼肉を食う。ガイドブックなどで調べてもいまいちはっきり分からない。現地で雰囲気で探すのが一番だ。少し傾いた鉄板の上で脂を落としながら野菜やキムチと一緒に焼くというやり方の店だった。

 

 サムゲタンと海鮮チヂミが旨かった。焼肉のほうの肉質はやはり日本のほうが旨い。我々が入ってすぐに満席となった。このあたりはレストラン街だが、どこも良く客が入っていた。ソウルはやはり元気ですね。

 

 食後も界隈をあっちこっちと歩き回る・・・夜9時になって本当に店が開き始めた。バッグやらコートやら・・・うんざりするほど、と言って他にすることもなく・・・見て回る。結局私は皮ベルト1本買っただけだ。1000円。左の写真はシーとカズマの「初めてのお買い物」アイスクリームを露店で買って走って帰ってくる・・・後で聞くと会話は無しだったようだ。

 夜の11時・・・タクシーを探したがぜんぜん見つからない。こういう時、5人グループは面倒臭いのである。で、仕方なく地下鉄にチャレンジ。切符は自動販売機で日本語ボタンを押せば手順が出てくるから簡単だ。しかしホームも車内にも英語表記すら無い。これは路線図を頭に入れ、何個目の駅で降りるかを知っておかないと分からなくなる。「確か4ッつ目だったよ・・・」と言いながら4つ目の駅に到着するとちゃんと「SEOUL」と車内の電光掲示板に出た。・・・おい、出るなら出ると書いとけよ!。

 ソウル駅からすぐ近くのはずのヒルトンホテル。間に急激な坂道が待っていた。小学生と中学一年生はともかく、我々は青息吐息で、残っていた活力のすべてを使い果たし・・・ホテルのベッドに倒れこんだ。延々15時間のソウル散歩、いや、ソウルトレッキングだった。オレもまだまだ元気だわい!ハハハ。

 翌日は少し南大門で買い物をして昼には空港に・・・ちょっと駆け足過ぎだよね。今度はもう一泊だな。


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