親不知OFF 2006/7/14-15



7/14

 今回の親不知OFFは通常メンバーの参加が少なかった。もともと女どもは掲示板を賑わしているだけで、たかが一握りのモズクのために断崖絶壁を降りて海に潜ろうなんて輩は一人もいないし、ましてやテレビの天気予報を見ればどこも雨雨雨・・・、さらに気力が萎えたとしてもそれは不思議なことでもなんでもない。前日のインクのドタキャンとnomoの当日不登校も仕事だとか用事が出来たとかほざいていたらしいが、怪しいもんだ。こういう時こそ真のアウトドアマンか否かを問われているのである。天気に左右されているようではまだまだである。一風を見ろ、雨が好きだ、雨の日が一番だ、などと開き直って喧伝しているから・・・いつも雨雲を連れて歩いているではないか。

 sonetaが雨でもニコニコしているのは「雨が降れば温泉だ〜い!」とほくそ笑んでいるだけだが、今回新参加となった柿の種とかやのんち・・・。なんか、イメージの湧かないハンドルネームを持つ二人をいれて6人が昼に 須沢臨海公園ピアパークのドーム下に集まった。柿の種からもらった名刺を見ると「野外宴会、スキー、温泉大好きです」と書かれてあったが最近はヒスイにハマり、その原石を拾いにこの親不知の浜に日参しているらしい。いろいろ話してみると、ようするに二人とも遊び好きで、なんやかんやと理由やら理屈をつけてキャンプを張って遊んでいるだけである・・・ということが分かった。同類を見抜くのにさほど苦労はいらない。

カメラを持って女風呂を覗く活二

 この土砂降りの雨の日はさすがに海に濁りも入り、いきなり「じゃあ潜ろうか!」という気分になれないので、sonetaの意見に従いとりあえず温泉となった。しかしここで活二が手を抜いた。小谷(おたり、と読む)温泉に行きたいなぁというsonetaを無視して活二が近場のスキー場温泉でお茶を濁そうとしたのである。天然温泉とはいえ露天風呂もなく、景色も良くない温泉で、風呂上りに柿の種が「この温泉かけ流しじゃないんですよ」と少し不満そうである。sonetaも柿の種もかやのんちも助手も温泉好きであることを活二は軽く考えていたようだ。おまけに今の私は昔と違って温泉の良し悪しが少しばかり分かりかけてきたところだ。2、3年前の私なら「ま、昼間っから温泉なんて・・・」と柿の種の不満を一蹴していたかもしれないが、今回は柿の種が近くの「雨飾り温泉、都忘れの湯、これが秘湯なんですよね」と教えてくれたので・・・これは一度行ってみなければという気持ちになったのである。風呂から上がってきたsonetaにもちろん異議はない。最後に上がってきた活二に「おい、これから雨飾り温泉に行くことになったからね!」と伝えると、さあ、 これから忠ヱ門に帰ってビールを・・・と目論んでいた活二は「え〜〜!」と泣き出しそうな顔をした。活二が最初から手を抜くからこういうことになるのだ。最初から皆を雨飾りに連れて行っていればこの反乱 一揆は起きなかったのである。

 この温泉フリークたちの嬉しそうな顔。大雨の中けっこうなワインディングロードをクネクネと走り、たどり着いた秘湯である。ここに着いてから思い至ったのだが、そういえば活二は昨日の夜寝ていない。あれ?コレってちょっと可哀想 か?・・・ま、いつも後になってから思い至るのが私の欠点だ。ま、いいか・・・。ここで助手は水着を着て皆と混浴した。こういうことが出来るようになったということは助手がいよいよオバチャンになったということだ。昔はこんなことが出来る人間ではなかったが・・・。

 夕刻、おなじみの忠ヱ門に帰り、おかーちゃんと一緒に乾杯。やっとビールにありついた活二の嬉しそうな顔・・・。普段は酒を飲まない私も、(実は北海道で少し癖がつき)ビールを飲み、柿の種が持ってきてくれた越の寒梅を飲んだ。新潟地震の 時の話、活二が実は双子だったという話、山菜やらキノコやら釣りの話、目新しいのは新入り二人が持ち込んだヒスイの話。似通った人種の宴会は果てしなく続く。このメンバーでは花の話がほとんど出てこないので助手は発言機会がない。黙々と下の笹寿司を頬張っては、ウーロン茶を飲んでいる。今夜は我々は糸魚川のホテルに泊まる段取りになっているのでそこまで助手が運転しなければならないのである。

 今年も食べることが出来た忠ヱ門の笹寿司。いつものように新参者には食べ方を説明する活二。おかーちゃんは変わらず元気、忠ヱ門の笹寿司も変わらず旨い。変わって落ちたのは私の筋力と活二の頭髪だけである。昨年からいためている右の50肩がますますひどくなり、今は寝ていても痛い。ゆえに筋トレがまったく出来ないでいる。何年もかかって鍛えてきた筋肉でも落ちるときはあっという間だ。 それに最近、なんか知らんが身体のあちこちが痛い。一回り若い柿の種とかやのんちが羨ましい。

 さあ、明日はいったいどうなんだろう。また雨なんだろうなあ・・・果たして海に潜れるか!?。


7/15

 果たして今日も雨であった。ホテルレストランの窓から濁流の川が見える。この調子じゃ海も濁りが入っているに違いない。昨日のヒスイの話を思い出し、近くにある石の博物館に行くことにした。活二に電話すると、皆とりあえずそちらに向かうとのこと。例の二人も昨日拾った原石を鑑定してもらうという。9時半ごろヒスイ博物館に集合した。 あれ?、かやのんちは今朝の5時までに家に帰ると言っていたはずだが、ここにいる。なんでも家に帰って用事を済ませ、ここにとんぼ返りをしたらしい。うむ、なかなかのヤツである。

 ヒスイなどの宝石だけでなく、いろいろな化石やら鉱石が展示されていてけっこう興味をそそられた。ヒスイやダイヤをはじめとする宝石とはつまり、この地球が地殻変動で作り上げた美しい造形物だ。 フォッサマグナという亀裂が暗黒の大地の奥深くからこれら宝石を押し出し、世に現した。確かにこうやって間近に見ると理屈では言い表せない、吸い込まれるような美しさと魅惑を感じる。古代から人を魅了し続けてきただけのことはあるなあ・・・。う〜ん、オレもヒスイ拾うか!(笑)。

 展示してある大きなヒスイ原石を撫でさすりながらマニアックな会話を交わす柿の種とかやのんち。博物館各所を熱心に回っているので初めてかと思ったら、原石鑑定にもう何回もここに来ているらしい。それだけ来ているのに再度にわたりこれほど熱心に見学するってことは、よほどの物好きか頭が悪いかのどちらかだ。ちょっとアブナイやつらかも知れぬ。

 博物館を後にして、土砂降りの中を、それでも一応海を見てくるかと親不知に向かう。海に下りる駐車場に車を止めた時が一番激しく降っていた。ただ不思議なことにこのあたりの岸辺は海の濁りが薄い。横を流れる谷の水も濁ってはいない。入って入れない状況ではないかもしれない。「どうすんの?」と活二に聞くと、「潜る!」と固い決意表明。そういえば今回のOFF会は、正式には「親不知のモズクを採り、その場で味噌汁にして食う会」であった。モズクを採らないと話にならない。皆もうそのことを忘れていたが、活二はさすがに主催者だけあって覚えていたようだ。その主催者の涙ぐましい決意を聞いて、感動した私は一緒に死のう・・・いや、一緒に潜ろうと決意した。私が潜れば助手が潜ることは目に見えている。ウエットスーツに着替えていると活二が心配して助手に「やめたほうがいいですよ・・・」とか言ってくるが、助手は「え〜私、泳ぎたいの!!」とまったく相手にしない。活二には助手という生物が分かっていない。泳ぎたくないのにいやいや海に入るようなヤツではないのである。他の3人は炊事組として宴会の用意をすることとなった。

 で、3人で潜ったが、透明度は3m強ってところかな?。水が澄んでいるのは地下水が豊富に湧き出しているからだろう。このあたりは玉石が多く、岩ではなくその玉石にモズクが付いている。活二に教えられて沖合い100メートル、水深4メートル辺りまで潜ると確かに石にモズクがへばりつくように付着しているのが見える。浅いところでもなにやら似たような海草が生えているが、近づくとみな赤い。この本物のモズクは黒い。岩牡蠣も近くで発見したが水深4mともなると潜るだけで精一杯。何度かナイフでチャレンジしたがすぐ息が切れて剥がせなかった。バールを持って来ればよかったが、特に今回は肩が痛くて水を力いっぱい掻けないからなおさらだ。岩とそれに付くワカメも無いせいか、サザエもいない。モズクをほんの一握りだけむしり採って(採ると採らないじゃ大違い)、良しとした。横で活二がせっせと皆の分を採っているしね。

 海から上がり、近くの親不知ピアパークで炊事組と落ち合う。ちゃんと高速道路の高架橋下で雨にぬれないように宴会準備が整っていた。このあたりはさすが宴会慣れしている。早速採ってきたモズクを水で洗う活二。見ていると洗うごとにヌメリが増してきて、ついには石鹸でも混ぜたか!・・・というくらいに泡立ってきた。このヌメリがなんとなく身体に良さそう。

 それをざく切りにしてお椀に取り分ける。そしてそこにアッツアツの味噌汁をぶっ掛ける。そして混ぜる。すると今まで黒かったモズクが緑色に変色し、プワーッと盛り上がるのである。うむ、大変旨そうだ。多分このあたりは活二が詳しく自分のHPで紹介するだろう。

 泡立つモズク味噌汁を真っ先に啜り込むsoneta。「ほら、もっとおいしそうな顔しなきゃ!」とか周りに言われて何度も写真に写される。でもこの写真、よく見るとまずくて吐き出しているようにも見えるよね。ハハハ。

 実際モズクは大変おいしかった。そりゃそうだろう。さっきまで清冽な海水で洗われていた新鮮そのもののモズクである。そう考えるだけでコレはもう絶品なのである。皆2杯ずつ、お代わりをして食った。その後私は土産にもらったモズクを師匠の三浦氏に同じようにして食べさせると、普段は味噌汁を食わない師匠が旨い旨いと平らげてくれた。究極の美食をまたひとつ食うことが出来た。活二のおかげである。また、今まで無関心だったヒスイという宝石の妖しい美しさに興味を持たせてくれた二人にも感謝しよう。人とのつながりが自分の趣味をまた広げてくれるのだ。人のやってることはみな面白い。sonetaちゃん、次回こそ小谷温泉ね。

PS

 さて、帰って掲示板でこのモズクをなぜ活二が好んで食べるのかと言うことに関して、溝口氏が活二の頭髪を補うために、自然に活二の身体がそれを求めているのであろう・・・という 学術的考察をしたが、それは間違っている。活二はモズクを採りすぎて、モズクの祟りでああなってしまったのだと思う。石に生えているモズクを毟りとる時、活二は何事も感じないのであろうか・・・。


OUT DOOR

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