『魔性の渓谷U・・・序章』


魔性の山菜・・・ギョウジャニンニク

 5月23日、三重県の魚菜が岐阜に到着した。それは約束の時間ぴったりの13時であった。普段時間にルーズな弟子といるので、こんなにピッタリに来られるとかえって慌てる。2ヶ月ほど前にタバコをやめて幾分ふっくらとした顔つきになった魚菜の腹を触るとブヨブヨしている。本人は相当気にしている様子で、以前タバコをやめたときに5kg、今回の禁煙で5kg・・・都合10kg太ったのであると・・・つまりは禁煙によるデブ化だと言い訳しているが、何のことは無い、魚菜もいよいよ中年の仲間入りをしたと断言したほうが手っ取り早いだろう。

 さて、中年3人組を乗せて出発した車は、趣味千山でターフを積み込み、そのまま高山を抜け、富山で高速道路に乗り換え、青海までたどり着いた。青海で止った理由は「山アスパラ活二」の見舞いである。活二は4月のはじめに(さあ、これから山菜シーズン幕開け!って時に・・・喜び勇んで)納屋の階段で足を踏み外して骨折し、HPを休んでいた。最初は一ヶ月ぐらいだと言っていたのに、なかなか出てこないので、本日妙高に行くついでにお見舞いをしようと思ったのである。間違った電話番号を書いてきたために、青海であちこち探し回り、結局ナビの力で家を探し当てて訪ねると、奥さんが「まだ入院中なんです・・・」と病院を教えてくれた。病院に行くと・・・いたいた、活二がロビーで入院患者とともに談笑している。声をかけると振り返り、我々を見ると、ビックリして飛び上がった(笑)。そりゃそうだろう、こんな見舞い客は予想できなかったろう。しかし私にとってはこれでよいのだ。私はビックリさせに来たのである。人を驚かすのが私の隠れた趣味なのである。

 1時間ほど談笑して、病院を出る。なにせまたイワガキを食べさせてもらわなきゃ困る。夏までには元気になっとけよ!と言い残して妙高に向けて出発した。

妙高温泉町旅館エスペロのご主人佐藤氏

 妙高では旅館エスペロの主人の佐藤さんが我々を迎えてくれた。昨年の冬に私のHPを見てメールを頂き、昨年もこのOFF会の前に泊まっている。自然と釣りと山菜を愛する人なのだが、商売柄、山菜採りはいわゆるプロの部類に入ってしまって・・・楽しみというより仕事になっているのが少し可哀想ではある。先だって雑食奇食の帝王魚菜に妙高の話をすると、「余はまだ食したことが無いユキザサの味が知りたい・・・」との仰せであったので、その旨佐藤さんに伝えておいたのだが、わざわざ今日、山に登ってユキザサとオオナルコユリを収穫しておいてくれた。ユキザサは岐阜にも生えているが、こんな太いものに出会ったことは無い。雪深い妙高はどんな山菜でも太く、味が良い。風呂上りに奥さん手作りのおひたしを賞味しながら、夜遅くまで山や釣りの話に花が咲いた。いつも思うが、共通の趣味を持っているということは本当に素晴らしい。出されたものは魚菜がほとんど平らげた。

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