旨し国・・・冬の新潟


1/28/2006

 昨年末に一風が家を増改築した。そこで蕎麦うちをやるから食べにおいでとお呼びが掛かった。これは行くしかない。今回は北海道まで可愛い小鹿のバンビを殺戮しに行ったアウトドアやくざのインクが欠席で、代わりに東京のスーパーグランマ・・・timeママの登場だ。勤め先で閑職に置かれ、暇をもてあましているsonetaはもちろん出席である。今日の11時過ぎに新幹線燕三条駅に到着するから迎えに来るようにとのお達しである。我々は5時に起き、6時に岐阜を出発した。途中妙高近辺で雪が降りだし平均速度が下がったが、11時前に何とか到着した。

 途中飯を食いながら、sonetaに連れて行かれたのはカーナビにも載っていない五頭温泉とやらの町営のラジウム温泉村杉露天風呂であった(写真)。以前の私ならこんな真昼間から温泉になど浸かることは決してなかったのだが、最近の私は違う。去年の冬から近所の温泉に行って温まり、これも決してやらなかったマッサージなどを頼み、果ては最近ブームになっている岩盤浴なども試したりしているのである。最近はエアロビやってもしんどいし、朝起きても身体がだるかったりする。これはやっぱり年老いて体力がなくなってきた証拠かもしれない。以前はジジババ温泉組などと嘲笑っていたあの元気なオレは一体どこに行ってしまったのであろうか・・・。ブルブル震えながら暖かなお湯に浸かる瞬間の喜びを味わいつつ、一抹の寂しさを感じる今日この頃でもある。

 3時ごろ予約しておいた温泉宿(湯田上温泉)に着き、ゴロゴロしながら6時半ごろ迎えに来てくれる予定の一風を待つ。一風は今日は仕事なのだ。5時ごろまた宿の露天風呂に入る・・・ウウム、たしかに気持ちイイ。

 7:00ごろ一風宅到着。でかい敷地にでかい屋敷である。オヤジさんは市会議員であったらしい。居間が思いっきり明るく作ってあるのがいい。20人くらいのパーティーなら楽勝にやれる。そして変わっているのは通常の外向きの廊下を広く取ってそこをワンコ部屋にしてあるのだ。こんな恵まれたところに居住できるのは犬冥利に尽きるだろう。それなのに私が久しぶりの再会で頭を撫でてやろうとすると、興奮したチキータが私の腕に噛み付いた!。慌てて手を引いたがシャツが破れ、血が滲んだ。このバカ犬が!。今度機会があったら苛めてやるぞー。

 この家のもうひとつの特徴はこのストーブ。ペレットストーブだ。長野県が森林対策の一環で力を入れていて、つまりは(多分)この間伐材で作ったペレットを利用してくれるという条件で補助金が出るらしい。なかなかいい考えだ。たしかに新潟県のような寒冷地では暖房費用というのがバカにならない。ましてやこの家のように広い部屋では普通の家庭用温風ヒーターなど役に立たないだろう。といって床暖房やらエアコンではランニングコストがかかりすぎる。ペレットは一袋400円前後、で、焚き方にもよるが十数時間は持つそうだから、確かに安い。それにこのストーブの熱量は半端ではないし、なにより炎が見えるのが良い。薪ストーブと比べても燃焼における熱効率は格段に良さそうだ。煙も出ないからクリーンである。

 まずは乾杯。温泉とビールにありつくと、sonetaはこんな顔になる。それにしてもtimeママは若い。年齢より20歳くらい若い。我々よりいろんなことを覚えているし、なにより喋り方がハッキリしていて若々しい。ひょっとしてバロンパに内緒で付き合っている若いツバメがいるのではないだろうか、いや、きっとそうに違いない!・・・というのが私の推理である。偶然当たっていたら、メンゴ!

 しばらくして渡辺氏登場。私たちにとってはtimeママ同様、カヤノ平のOFF会以来の1年半ぶりの再会である。あの時は山菜のてんぷらを上手に揚げて参加した女性陣の心をつかむというニクイ演出を見せてくれたが、今回は蕎麦うちを披露してくれるという。そういったことが得意そうな、雰囲気を持った器用な人である。私は10年ほど前に一度誘われて明宝村で行われた蕎麦うちの会に参加したことがあるが、それはもうとんでもない蕎麦(ソバとは呼べない代物)が出来上がった。まるできしめんが腐ったような平たいネズミ色のその物体はお湯の中で気味悪くクネリ、口の中では悪魔のように舌にザラついた・・・。それ以来やる気もおきなくてやったことが無いから、それが最初で最後の蕎麦うち体験なのだ。

そば粉と水を慎重に量る一風。蕎麦はもちろん新粉で、水はわざわざ汲んできた湧水。横にいるのは奥さんと娘さん。奥さんは明るくて元気な働き者で、一風はまさにこの奥さんによって支えられていた・・・と誰もが納得する。娘さんは先般結婚した。旦那は地元FM局のDJだってさ、お洒落だねー(笑)。

 ナベさんの蕎麦うちが始まる。この「延ばし」がやるとけっこう難しいのである。最後は折りたたむため、四角にするのだが、均一に破らずに薄くするのは年季がいる。ナベさんの額に浮かぶ汗を見てサッと駆け寄ってtimeママがハンカチで拭く・・・まるで手術中の看護婦だね、とみんなが笑っている。そうそう、今回はそば粉400g、強力粉100g、水250ccという配分である。いわゆる二八蕎麦で3,4回に分けて水を入れながらこねていく。

 見よ!この蕎麦を!!これがいわゆる正真正銘の蕎麦である。均一に切るのも慣れないと難しい。あとでやらせてもらったがなかなか一筋縄・・・にならない。茹でると膨らむので、この時点では極細でなければならないのだ。

 見よ!、見よ!この蕎麦を・・・。まるで蕎麦屋さんに並んでいるのと同じ具合ではないか・・・。私が昔作った腐ったきしめんとはまさに雲泥の差である。これはもう食う前から旨いに決まっている。ナベさんのあとで一風も蕎麦を打った。一風は何をやるにも豪快だが、反面、アバウトで雑い。切るところまでは見事な腕前だが、ナベさんのような繊細な切り方がついぞ出来ない・・・酒に酔ってたからか?・・・ま、そういうことにしておこう(笑)。

めちゃうま新潟蕎麦

01/29 nextpage

OUT DOOR

BACK HOME