水耕栽培日記


 今年も庭の南側にミニトマトとシシトウと食用ほうずきを植えた。春先に石灰を入れ、肥料の入った土も混ぜたのだが、5月に入ってもまったく育たない。養分が少ないのかと化成肥料も撒いてみたが、まったく変化なし。家の前の畑のおじさんが作った野菜たちは皆立派に育っているのに・・・何故?。まぁ、どうでもいいか・・・と諦めていて、そんな時にふと覗いた水耕栽培のインターネット記事。読んでみると、なんだか簡単にやれそうで、しかも土の中にいる虫(たとえば根きり虫など)の被害は皆無。ビニールやネットなどを張れば青虫、毛虫などの被害も防げるし、ビニールハウスか室内で養液をヒーターで温めてやれば冬でも栽培が出来る・・・おお、これは面白い。すぐにやってみようと思い立ったのが6月の中旬。すぐにあれこれ買ってきて、製作したのが下の写真の水耕栽培装置である。

 下の600×440×230の工具箱が養液タンク。そこからポンプで養液を汲み上げ、上の少し小さい栽培タンクに注入する(白いホース)。栽培鉢のすり切りに養液が浸るように深さを調整して緑色の排水ホースで下のタンクに戻す。水質悪化を防ぐために水槽用のエアーポンプで空気を送り、後で浄化のために炭束も入れた。特に夏場は水温が上がり、水が腐りやすいからだ。

  

 分からないのでとりあえず鉢の底に水が浸る程度に深さ調整。少し大きめに鉢穴を開けて、滑り止めゴムを十字に切って深さ調整する。今回のトマトは畑に植えたトマトの脇芽をバーキュライトの土壌にさした。すぐに根が出てくる。(写真の根はバジル・・・苗の根が茶色、水耕の根が白)

 ポンプは絶えず回す必要がないため(壊れるし・・・)、こんなプログラムタイマーを使う。これは大変便利なタイマーで、15分単位でスイッチが入り、毎日同じ時間に給水できるのである。朝の6時半、10時、15時、18時半の4回にセットした。真夏になると植物の給水も相当量になるらしく、日中に何度も給水したほうが良いだろうと4回に設定してみたのだ。ここらあたりは試行錯誤である。

 なんといっても土作りをしなくてよい・・・これが水耕栽培の最大利点だ。肥料液はハイポニカ・・・が良いらしい。で、ネットで二箱注文。そのままだと使いにくいので下の写真のように小分けし、10ccスポイトで計って入れる。倍率は500倍、水10リットルに対してA液とB液をそれぞれ20ccずつ入れるのだが、途中からナニを勘違いしたのか、1000倍にしてしまっていた・・・。その間約一ヶ月であったが、どうも実付きが悪いなぁ・・・と思っていたのだが、説明書を読んでいて間違いに気付き、慌てて追加したしだいである。とまぁ、こんな具合にはじめた水耕栽培だが、実際の目標は秋や冬にトマトやバジルを栽培することである。今回は夏場の屋根付きデッキの上でとりあえずいろいろ試してみようと思ったのだ。


6/27

 

   根が伸びてき始めて、トマトもバジルも少し大きくなってきた。写真上はトマトの根。


6/30

 右の水耕タンクには2鉢の穴が開いているが、左は4箇所開けてみた。苗が小さいうちはなんとなく寂しいのでやってみた。後で分かったがこれは多すぎる。というか、栽培するモノによって違うのだが、たとえばミニトマトやナスならひとつのタンクに1〜2個が限度だろう。大きくなってくると給水量も半端ではないし、根の張りもすごい量になるからだ。


7/3

  

 バジルの根もけっこう伸びてきた。順調順調。見ていてもすぐには大きくならないので退屈だったので、樋を利用して葉っぱモノの栽培装置を追加してみた。2段構えで良さそうに見えるが・・・さあ、どうだろう。レタスとほうれん草の種を蒔いてみた。


7/11

 夏ということもあって成長は早い。栽培位置をずらしてナスを入れる。この時期になると少しやれそうなめどが立ってきた。枝が伸びて大きくなってくると当然支柱が必要となってくる。デッキの横板にクランプで2cm角の角材を渡し、クランプと紐で枝を支える。これだと後で外すのも簡単だ。

  

 この白い網棚は¥100ショップで購入。鉢もスポンジも同様だ。こういうものに使えないか・・・とか考えながらホームセンターや¥100ショップを回るのはけっこう楽しい。工夫し、考えることが楽しいのである。


7/23

  

 ほら、けっこういい感じになってきたんじゃない?レタスも旨そうだし、バジルも・・・あれ?ちょっと待てよ、。レタスに青虫が・・・。囲いをしていないから当然と言えば当然なんだけど、蝶々がやってきて卵産み付けるんだよね。昔蝶々は可愛い生き物だと思っていたけど、畑をやり始めてからは嫌いになりました。と言ってまさか消毒はしたくないしねぇ。

 植えてからほぼ一ヶ月でトマトに実がなり始めました。


7/31

 バジルはもうすでにスパゲティーとかピザを作る時に葉を利用しています。いつでも生の葉が手に入るってことはイタリアン好きの私にとっては大変便利なことです。冬の栽培に期待高まります。この時期は却って虫にやられることが多いかも。


8/8

 初めてミニトマト一個収穫しました。屋根つきなので実割れもなく、まあまあ甘く、皮も硬くなく、美味かったです。実は今日肥料濃度について間違っていたことに気がついたのですが、それは下の写真・・・左側のこのトマトに比べ、右側のミニトマトの実付きが悪いなぁ・・・何でだろ?と思ってハイポニカの説明ラベルを読むと・・・なんと、5リットルづつ作っていた液肥に5ccづつしか入れていなかったことに気がついたのでした!。500倍だと10ccづつ入れなきゃ!!!ヒャー!っと叫んで慌てて継ぎ足しました。多分これで実付きの問題は解決すると思います。

 今日外したバジルの根っこです。すごいでしょ?

 今日HPにアップします。これから冬にかけて、試行錯誤が続くと思うと・・・なんとなくワクワクします。人間、遊びでも何でもあれこれ考えて夢中になっている時が一番幸せな時なんだから。上手くいけば事業化だって不可能じゃないでしょ?。楽しいよね。


8/9

 今日から一週間ほど出掛けることになるので、急遽、補助の給水タンクを古いクーラーボックスで作りました。この真夏では最初の給水タンクだけでは多分持たないだろうと考えたからです。この時期これだけの野菜で暑い日だと数リットル(最大5L?)程度の養液を必要とします。水位が下がるとポンプも作動しにくくなり、故障の原因にもなります。合計で60L以上の水を溜められますので、ゆっくり旅行が出来るでしょう。


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